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寄せられたご質問

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C型肝炎を飲み薬だけの新薬で治療しました。治療は成功し、主治医からはC型肝炎のウイルスは消えたと言われました。ただ、 その後に受けた健康診断でHCV抗体検査が陽性で、担当医から「C型肝炎が疑われます」と言われました。私のC型肝炎は再発したのでしょうか?

健康診断では肝炎ウイルス検診等実施要項に従い、C型肝炎ウイルスの検査はまずHCV抗体検査を行います。

その結果、HCV抗体が高力価( CLEIA法で50.0以上)を示す場合は「現在、C型肝炎ウイルスに感染している可能性が高い」と判定されます。また、HCV抗体が中・低力価(CLEIA法で1.0~50.0未満)を示す場合はHCV核酸増幅検査を行い、HCV-RNAの検出を行います。検出された場合は「現在、C型肝炎ウイルスに感染している可能性が高い」と判定され、検出されない場合は「現在、C型肝炎ウイルスに感染している可能性が低い」と判定されます。(出典:厚生労働省 「健康増進事業に基づく肝炎ウイルス検診等の実施について」)

ただ、このHCV抗体は現在感染していること、あるいは過去に感染していたことのいずれかを示すものです(感染抗体といいます)。抗ウイルス治療によってC型肝炎ウイルスの排除に成功しても、HCV抗体はすぐには消えず、長期間陽性が続くことが知られています (出典:日本肝臓学会編 「慢性肝炎・肝硬変の診療ガイド2016」)。しかし、C型肝炎ウイルスが排除されていれば、HCV抗体価は徐々に減少していくとされています。

今回の事例でHCV抗体検査が陽性と指摘されたのはそのためでしょう。健康診断の担当医は、そのHCV抗体検査の結果から「C型肝炎が疑われます」とご判断されたのだと推察されます。次回以降の健康診断では、事前にC型肝炎のウイルス治療をしたこと、またその結果も含めて申告することで、健康診断担当医も値の解釈がしやすくなると思われます。

以上のことから、今回のHCV抗体陽性の指摘が、直ちにC型肝炎ウイルスの再燃(再発)を示しているとは言えませんので、今回の結果を次回、C型肝炎の治療をされた主治医にご相談しましょう。