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青少年のための「初めて学ぶ肝炎」:問題 F

問題 F

B型やC型肝炎ウイルスに感染したとき、体にはどのような変化が現れるのでしょうか。現れると思われる症状を考えてみましょう。

 問いかけ
  
  

解説

B型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスでは、経過が少し異なります。


まず、B型肝炎ウイルスの場合ですが、成人で感染したときと、子どもが出産時や乳幼児期で感染したときでは異なります。 肝炎ウイルスが体内に侵入してから症状が現れるまでの期間を潜伏期と言います。


問題F 過程


成人で感染したときは、多くの場合、1~3ヶ月間程度の潜伏期間の後、一時的に黄だん、倦怠感(全身のだるさ)、食欲不振、吐き気等の症状が出ますが、1~2ヶ月で治ります。感染しても自覚症状が特に現れない場合があるため、本人が感染していることに気がつかないこともあります。まれに、重症化して死に至ることや、その後も感染が持続することもあります。
 

気分が悪い
 
子どもが出生時や乳幼児期に感染したときは、その後ほとんど生涯にわたって感染が継続しますが、自覚症状のないまま過ごすことが多いです。そのうち、10人に1~2人程度の人では慢性肝炎になったり、さらに肝硬変、肝がんへと進行したりする人もいます。

baby

次に、C型肝炎ウイルスの場合ですが、2~14週間程度の潜伏期間の後、3割程度の人は、一時的に食欲不振や吐き気等の症状が出ますが、1~2ヶ月で治ります。残りの7割程度の人は、その後、ほとんど生涯にわたって感染が継続します。 
長期間にわたって自覚症状のないまま過ごすことが多いのですが、およそ20年で3~4割程度の人が肝硬変になり、中には、肝がんへと進行する人もいます。
本人 元気 自覚症状なし
     過程 ※

我が国の肝がんの患者も7割は、C型肝炎ウイルスの感染者であり、年間、3万人程度の人が亡くなっています。 このように、肝炎ウイルスの種類によって、感染から症状が出るまではいくつかのルートに分かれますが、肝臓自体、高い再生産能力があるため、こうした肝炎ウイルスの感染による自覚症状が乏しく、感染している自覚がない人が多数いると考えられています。

肝炎ウイルスに感染しているかどうかは、血液検査でしかわかりません。採血すれば、1週間~数週間には検査結果を知ることができます。感染がわかった時点から、必要な定期検査や適切な治療をすれば、ウイルスを排除または抑えたり、肝硬変や肝がんへの進行を防いだりすることが可能です。

採血

こうした血液検査は、保健所や各自治体が委託する医療機関で受けることができます。無料で受けられる場合もあります。国としては、国民全員が生涯に一度は肝炎ウイルス検査を受けることを目指しています。

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